うまみあふれる文才 おもち編
「気仙沼のほぼ日」のお開きの会に、「おこわ」を差し入れしてくれた人がいた。気仙沼ニッティングの最高の編み手さんで、編み手さんたちの先生の役割をしている田村さんだ。小豆の赤い色をつけてなくて、甘く煮た豆が入っている。そういう「おこわ」だったが、これが滅法うまかった。すぐに思い出した、田村さんは震災前は「もち屋」さんだったと聞いたことがある。「おこわ」に使われているもち米がやたらにうまい。ご本人にそのことを訊いたら、即答してくれた。もち米は岩手のヒメノモチという品種が一番で、特にある地域のものが最高なのだという。
ぼくは東京に帰って、すぐに岩手のヒメノモチを調べて、20キロのもち米を注文してしまった。重そうだから、「ほぼ日」に直に送るようにした。どうするか、なんにしようかは考えずに送った。有志に相談すると「もちを食べよう」とすぐ答えがきた。いちどに2升のもちができる「電動もちつき機」を私物として買って、これも会社に届くように送った。評判わるかったら家に持って帰って、さらに家での評判がわるかったら謝ることにした。
で、昨日はいつもの水曜のミーティングの後、とにかくもちを食おうというイベントをやったのである。からみもち、あんこもち、しょうゆ、さとうじょうゆ、海苔、きなこ、すりごま、甘みそなどを用意して、小さな団子にちぎったつきたてのもちを、だいたいひとりが5〜6個食べたんじゃないかな。残ったら、お土産にすればいいということで、大量にもちをつきまくった弊社キッチンであった。
もちは腹持ちがいいと言われているが、ほんとうだ。夕食は丸の内「きじ」のお好み焼きを食べたのだけれど、それより前に食べたもちが、まだ腹のなかにあるようだ。体重が特に増えていたわけではないが、満腹感がすごい。以上、本日の駄文である、なんの教訓もありましぇん。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。 それにしても、みんな、けっこうもちが好きだと知ったね。
糸井さんのコラムである。
ひそかに好きなのがこの手の美味しいもの
についての糸井さんの文章だ。
文章だし、言葉の選び方だし、
そもそも話の題材が秀逸。
とにかくうまそう、
思わず引き込まれてしまうなにかがある。
ジブリ映画の食事シーンに近いものがあり、
ただただ語っているだけなのに
食欲を刺激してくる。
このコラムも、いうなればただ
みんなでもちを食べた、というだけの話。
つきたてのもち、からみもち、
とにかくもちを食おう、
素晴らしいプロフェッショナルだ。